ISO9001:2015 要求事項への対応方法(条項4)

新規に発行された2015年度版への対応方法について、検討してみた。
要求事項の順に検討してみた結果をここに記載しています。
ここには条項4のみ記載しています。
他の条項については、別ページをご覧ください。

4組織の状況
4.1組織及びその状況
外部及び内部の課題について明確にする要求がある。
またその情報を監視して、レビューすることも求められている。
これは、旧規格にはなかった要求事項なので、新たに対応する必要がある。
課題とあるが、新規格の要求するマネジメントシステムは、「リスクと機会」に注目したシステムの構築を要求していることから、課題についても、リスク面と機会面に分けて明確にする必要があるだろう。
規格書の注記にある通り、内部、外部にわけて、リスクと機会にわけて整理することになる。
マトリックスにして整理し、それぞれの要因は、経営環境に関わる要素として、市場動向、法令、社内制度、社内技術力、社員の能力、世の中の技術動向等のわけて、監視項目や、担当分等がわかるようにすればよい。
項目は取り組む業種、業界によるので、どのような項目要素に着目すべきか、まずは整理したうえで、整理する方法としてマトリックスを採用するとよい。
レビューも要求されているので、レビューのタイミングが予定されている会議の場でやるのか、別途定めるかだが、経営方針や戦略に関わることなので、頻繁にやることはないが、事業運営上何かの節目があればそのタイミングでよいのではないだろうか。
経営計画を策定する段階で現状認識と目標設定、現状と目標のギャップを整理するのに似ている。

4.2利害関係者のニーズ及び期待の理解
利害関係者の特定とその要求される内容及び内容に関する監視項目とそのレビューが要求されている。
これは事業構造図みたいなものを作成し、それぞれの関係性を整理しておくことで足りると思われる。
図でなくても、利害関係者の一覧で項目は、利害関係者名、要求内容、監視項目、監視者、監視のタイミングといったもので整理してもよい。(こちらのほうが解かり易いかもれしれない。)

4.3品質マネジメントシステム範囲の決定
システムの適用範囲を決定する要求だが、ここの記載に、範囲の境界及び適用可能性を決定するようにある。
適用範囲は、人(法人とかも含めて)、製品(サービス)、地理的位置がある。
人の場合は
利害関係者が整理できれば、この要求事項はクリアできる。利害関係者を整理するときに適用範囲に入るかどうかを決めておけばよい。
4.2の整理した情報にこの区別を明らかにしておくとよいだろう。
製品(サービス)は、利害関係者の利害関係から明らかで、旧規格で認証取得されている場合は、利害関係者に大きな変更なければ、これまで通りでよいだろう。
地理的位置についても同様、営業所、支店、工場立地に変更なければこれまで通りでよい。
可能性の判断だが、可能性が完全にゼロでない場合を除いて全ての直接、間接を問わず利害関係者を含むことになる。
範囲の境界と可能性を判断する判断基準を審査の時には求められる可能性があるので、注意したい。
間接的な関与しか出来ないものは適用する可能性も含めて範囲がら除外するとかしておくとわかりやすいだろう。
適用除外がある場合は、旧規格と同様の扱いでよい。

4.4品質マネジメントシステム及びそのプロセス
4.4.1
マネジメントシステムについての一般的要求なので、この条項以降で、要求を満たすとよい。
4.4.2
文書化に関する要求事項で、旧規格にあった、文書(記録を含む)に関する要求事項のように細かな要求はない。
これまで管理のための管理のような仕組みで文書管理をされていたようなら、このタイミングで実態にあったものにするのもよい。